2018/10/16

三文豪の世界に触れる 第130回荒屋悠々サロン

金沢には近代文学史に名を連ねる著名な3人の作家がいます。徳田秋聲、泉鏡花、室生犀星です。金沢では親しみと敬意を込めて「金沢の三文豪」と呼んでいるところです。
7月に開催された悠々サロンで、「七稲地蔵」の朗読が行われましたが、その際に三文豪の記念館に行ったみたいと言う声が上がったので、昨日(15日)午前9時、参加者21名がマイクロバスに乗り込み、最初は白菊町の室生犀星記念館に向かいました。



三文豪の作品は、明治・大正・昭和の近くて遠い時代の人たちの生活の様子や生き様をも教えてくれます。三者三様の個性は育ってきた金沢での環境に強く影響されており、三文豪の世界に触れることで、ひと味違った角度から改めて金沢を知ることにしました。
室生犀星記念館に到着
室生犀星記念館は犀星の生家があった場所に建てられ2002年8月1日(誕生日)にオープンしました。場所は市内中心部の静かな住宅地の中にあり落ち着いた所です。
吹き抜けの壁には、グラフィックで作られた初版本の表紙が、下から上に向かって年代別に展示されています。1918年(大正7年)の「愛の詩集」から亡くなった1962年(昭和37年)の「好色」まで、その数は160冊余りにのぼります。


160冊が年代別に展示されている
2Fの展示場
執筆していた机や火鉢など愛用品が展示されていました。骨董品が好きだった犀星だけあって、その机も側面に彫刻の飾りがある凝った感じのものでした。
見学を終えて集合写真を写しました。


次に向かったのは尾張町の泉鏡花記念館。裏通りの細い小路に玄関口がありました。
この記念館に足を踏み入れると、泉鏡花(1873~1939)を知らない人でも、感覚的にその世界が体験できました。鏡花の人気は、生前から今もなお途切れることなく、舞台や映像、マンガをはじめ、広くはアメリカ、ヨーロッパにも熱心なファンがいるようです。多くの人たちを引きつけて止まないそんな「鏡花の世界」とはどんなものなのでしょうか?
記念館の入口
泉鏡花の記念館前で



館内は写真撮影禁止となっているため写真がないのが残念。

最後は東山町の大通りに面した駐車場でバスを降り、犀川左岸を歩いて徳田秋声記念館に向かいました。
天気も上々、景色も上々
川端康成に「日本の小説は源氏にはじまって西鶴に飛び、西鶴から秋聲に飛ぶ」と言わしめ、田山花袋や島崎藤村らとともに自然主義文学の担い手となったのが徳田秋聲(1871~1943)なのです。

秋聲は「女性を書かせては神様である」と言われています。館内には「かび(正しくは漢字表記)」「あらくれ」など5つの代表作品のヒロインを和紙人形にした「人形シアター」があり、5人の女性が映像とともにドラマチックに紹介されていきました。

館内の収蔵品は約3000点ですが、ここにはその中から選ばれた代表作の初版本や自筆の原稿、師・尾崎紅葉の朱が入った原稿など、リアルな作家活動の様子が伺える貴重な資料が展示されていました。
最後の記念館
3つの記念館巡りを終え、町内のレストランで昼食会となりました。

ランチにしてはボリュームたっぷりの料理が次々に
今日の三文豪記念館巡りに全員が満足した
悠々サロンが開設されて13年目となりました。今回で130回目の節目でしたが、バスで出かけたのは初めてでした。スタッフ一同、これからも皆さんに満足していただける運営に努力してまいります。隣接の町内の皆さんを含めて、サロン参加者を常に受け入れますので積極的な参加をお願いいたします。

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